M&A仲介会社って、ただの営業会社であり、仕組みは不動産仲介と同じですよ。

誤解を恐れずに言うと、

めちゃくちゃ優秀な人や真っ当なM&Aアドバイザーもたくさんいますし、

人間的に素敵な人もたくさんいます。しかし、中にはそうでない人たちもいます。

 

仕事をしていると評判の悪い話をよく聞きます、特にお客さんが辛い心情、怒り狂っている姿を見ます。

M&A業界へ就職する人、M&Aって謎、という経営者、新規参入企業たちに対してヒントになれば幸いです。

 

新聞では華々しいイメージが多い、未上場のM&A、について、

お金以外のところにフォーカスして少しコメントできればと。

 

まずは未上場のM&Aリアルを語る前に、ご存じの方が多いかもしれませんが、基本的なところを。

 

それでは行ってみましょう。

①FAと仲介会社の違いについて

②仲介会社が入るのは30億円以下のディールのみ

③仲介会社は必要?

 

 

①FAと仲介企業について

 

●売手企業⇔売りFA⇔買いFA⇔買手企業

この形態が片側、と言われる売り手、買い手双方にアドバイザーがつくタイプです。

弁護士などと同じ、と思っていただくとわかりやすいでしょうか。売り手の要望、買い手の要望を代理人という形でバチバチ交渉していく。

本来、M&Aといえば、これがスタンダードでした。

 

●売手企業⇔仲介会社⇔買手企業

 これがM&A仲介です。

不動産仲介と同じ、ですよね。仕組みは。

弁護士がこの状態になったら「お前はどっちの味方なんだ!!!」と怒られますよね。

 

そうなんです、そこがポイントです。

誤解を恐れずに言うと、仲介会社は「交渉」してはいけません。つまり伝書鳩です。

 

「買手さんはこう言っていますよ」

「売り手さんはこう言ってますよ」が極論、仕事です。

※本当は違います、それでは仕事にはなりません。ディールがまとまりません。ここでは大枠をご理解いただきたいので書いています。

 

②仲介会社が入るのは30億円以下のディールのみ

 有象無象のM&Aプレーヤーが増えすぎてわけわからんことになっているので、ざっくり説明すると。

 

30億円を超えると、大体FAになります。なぜか、それが普通だから。

以上終了。

と行きたいところなんですが、少し説明します。

 

だいたい取引金額が30億円くらいまでは銀行や証券会社自身がM&Aのアドバイザーをやります。(規模が小さくてもやる場合も当然あります。地銀などは小さい案件は自分たちで完結しています。)

彼ら自身といっても、いわゆる支店の営業さん、ではなく、投資銀行部門が行います。

 

100億円超えている案件や海外案件なども同様に銀行や証券会社が行いますし、

規模が大きくなればなるほど外資投資銀行などが台頭していきます。

 

どんなイメージですか?

頭キレッキレ、東大、京大当たり前、英語ペラペラ、みたいなイメージします?

本来こういう世界です、M&Aって。

 

ある投資銀行部門の人が言ってました。

100億円ないとおれらディールやんねーよ。それ以下はゴミ。

あんなの業者にやらせとけ。

 

そう、30億円以下のディールサイズ、なんて

彼らからすれば、ゴミを漁っているように映るそうです。

(不適切な表現なのは理解しております。私はそうは思っておりませんのであしからず。)

 

当然、そんなことを思っている人はごく一部かとは思いますが・・。

 ただ、この「業者」という表現で伝わればいいのですが、これはよくあります。

よくある、というのは、業者扱いをしている経営者、金融機関をよく見ます。非常に現在のM&Aのリアルを表現している、と感じます。

 

 

 

話がそれました。

ここでポイントは投資銀行がやらないM&A案件は一体だれがやるのでしょうか。

 

ここで登場。近年爆発的に伸びている市場と言われる。M&A仲介会社の出番です。

彼らは、自分たちで「売りたい企業」「買いたい企業」を見つけるだけでなく、

こういった銀行や証券会社から企業を紹介してもらうことがあります。

 

③仲介会社は必要?

 個人的な本音は、いらないと思っています。

(ただ、売手への調査である、デューデリジェンスはがっつり、入れて。と思う。)

 

しかし、

(本来M&Aプレイヤーは小さな案件やらないので)FAを担う人がいない。

結果的に、M&A仲介会社を入れるしか、ない。

小規模FAをやる人たちも出てきておりますが、

有象無象すぎて信頼できるかどうかを見分けるには経験値が必要です。

それを経営者が判断するのは至難の業。

 

理想は、

売手企業と買手企業に、M&A慣れしている窓口担当者がいて、

同じくM&Aに慣れている弁護士、会計人がいて、DDを行う。

双方合意の上、取引するならば、「必要?この状況で。」と思う。

 

しかし、こんな状況は稀ですし、そもそもそんなディールはないよう気もします。

だからこそ、売手企業のM&Aに対する正しい理解が必要だし、

周辺をサポートする人材へのM&Aへの理解も大いに必要。

こんなん理想だけど。

 

私が地場を守る企業経営者ならばそんなニッチなM&Aビジネスに精通した人材を雇うお金あったら事業を伸ばせる人材や既存従業員に金払いたいです。

 

さて、タイトルとはずいぶんと話がそれましたが、

未上場のM&Aについて少しでもご理解いただけましたでしょうか。

 

いつかあなたにスポットライトがあたりますよう心から祈っております。