経営者の父と向き合おうとする話、前段階②

私の実家は商売をやっている、

今思うと「普通の家ではないこと」を

小学生当時はステータスに感じていた。

 

家はお店とつながっているのでお客さんの往来が激しく、

祖母祖父、両親ともに地元で過ごしているので、友人の往来も激しい。

 

知っている人、とはいえ、

他人の往来が多いわけだが、

取引先とかそういう堅苦しい距離感はなく、

「よく来るおじちゃん、おばちゃん」がいる、そんな感覚だった。

 

 

そういう環境にいると、

これはうまく表現しようもないのだが、

普通のサラリーマン家庭、

というものが全く想像できなかったのだ。

 

目の前で両親が働いて、祖父母は農作業でセカンドライフ満喫。

仕事場がら目の前に広がってて、

顧客対応から銀行商談、真剣な話や黙々と事務作業は個室で。

 

サラリーマン=ペコペコ頭下げてるイケてない人

くらいにしか考えてなかった。

(電車通学だったが、田舎だからか、うだつの上がらなそうなおっさんサラリーマンしかいなかったから、というのもあるかもしれない)

 

その感覚のまま、大学生になった。

だから大学生になっても「起業する!」という言葉のカッコよさに惹かれて何も考えず

「サラリーマンになるなんてダサい」と思ってた。

「大企業なんて歯車におれがおさまるか!」なんて中二病全開だった。

 

その感覚のまま、3年生になり、

真剣に考え始めた。ちょっとずつだが。

 

その時にようやく

「将来経営したい」

「将来のために経営に近い立場で仕事して修行がしたい」

「親父のような中小零細、地場の企業の経営者を助けてあげたい」

 

そんな思いが自分にあることを再確認した。

たぶん元々思っていたのだろうけれども、

インターンベンチャーの選考などを通じて、言語化出来てきた、

というのが正確なところだとおもう。

 

当時考えていた就職

どこでもいいからベンチャー企業

資格勉強で税理士目指す

とりあえず起業してみる

大企業に勤めてみる

 

というなんとも雑な選択肢だった。

 

友人の

「今しか選択できないカードって、何?

それって新卒というカードでしょ。」という一言で就職活動してみることに。

 

蛇足になるが、

「中小、ベンチャーはいつでも行けるし、

勉強だっていつでもできる、起業だってそう。

けど、大企業へ転職できるかもしれない、

ただ実力を備わってないと希望なんて通らない。

だから実力もないのにポテンシャルで大企業に入れる、というカードは貴重」

という意見だった。

 

そこからベンチャーインターン、1Dayも含めて回り、説明会、座談会に顔を出すようになった。

 

ベンチャーのラフでやりたいことやってる感が好きだったし、

大企業の堅苦しいというか・気の抜けた感じが嫌いだった。

 

そんな活動を数ヶ月している中で衝撃を受けた。

コンサルタント、という職業だった。

 

1人は人材コンサルタント、今もいるかどうかはわからないけど、アチーブメントという会社の人だった。松岡修造みたいな人、と思えば良いだろうか。

(何人かやり取りしたが、ぶっ飛んでると感じたのはその人だけだった。)

 

そこで感じた事は、

「なんだ、サラリーマンにもこういう熱く働く人って存在するんだ!働くならこんな感じで熱く働きたい!」

 

と自分のガチガチの固定概念が少し崩れた瞬間だった。

 

もう1人はIBM出身の元コンサルタントで、ベンチャー経営者。

頭の切れ味(そもそも私にそれはないのだが、当時はあると思ってた)や

勉強量・知識量・パフォーマンス含めてアウトプット、勝ち目がないと感じて、

社会人と会って感服したのは初めてだった。

「こんな人になりたい!」と思えたのも初めてだった。

 

 

経営の立場で、

がむしゃらに働く姿

そんなコンサルタント、という職業にあこがれをもった。

(結局、どこも受からず、あまりにしんどくて就活中断して引きこもりになったわけだが笑)